粗大メモ置き場

個人用,たまーに来訪者を意識する雑記メモ

Study of か Study on か?

はじめに

「~~に関する研究」を英訳するときに「A Study on ~~」を使うか「A study of ~~ 」を使うか迷いますね。 私は前者でしたが後者もゴロが悪くないのでどっちがいいのかなぁと漠然と調べてみました。

日本語サイト

事例1:ON派

Yahoo 知恵袋のページより。

以下のような言い回しが言及されてます。

study in 〜における研究
study on 〜に関する研究
study of 〜の研究
study into はわかりません。

一番多く目にするのは、study onではないでしょうか。
学術「に関する」の意味では、前置詞onがふつう用いられます。

実際学術論文ではStudy onの方が多くHitするように思われます。

事例2:Of 派

一方で論文タイトルでない平文では文法的にofが多く用いられるようです。例文の出展

<例1> Acoustics is the study of sound and sound waves.
(音響学とは音と音波の研究のことである)

<例2> Ecology is the study of habitats and the living things that live in them.
(生態学とは生息地とその中の生物の研究のことである)

<例3> A study of atomic structure has proved that the nucleus of an atom
consists of protons and neutrons.
(ある原子構造の研究から、原子核は陽子と中性子から構成されることが分かった)

英語圏における議論

英語圏においても議論があり,ここにおける議論が非常に参考になります。

意見としては,

  • どちらも意味が通じるのでどっちでも良いがofが好き
  • 文法的にはofが正しいのでofを使うべき
  • Googleでの検索数が100:1でofの方が多い(これには反論が多かったです)

など,ofを推す声が多かったです。

ニュアンスの違い

先程のページの中で若干のニュアンスの違いについて言及されたコメントがあります。(ここの議論にもあります)

I would use "on" if talking about a formal study with carefully defined procedures and goals. I would use "of" in a less formal context.

I'm trying to organise funding for a long-term study on the factors causing ...

Our results will be meaningless without at least a brief study of the factors causing ...

Study onの後に続くのはよりキチンと定義されたFomalな内容であり,ofはより一般的な意味合いを持つということみたいです。 これは少し個人的な感覚にも合致します。

面白いのは他のいくつかの議論でも上記の発言が引用されてonが勧められている節が有り,Googleの検索結果が言論を作っているのではというのが気になりました。

他には,下記のサイトにて

“study of” vs. “study on”

(Oxfordの辞書の引用をした後に)

So "study on" is OK, as well as "study of". To my mind the difference is:
1. study of = studying smth. (somethingの略)
2. study on = studying on topic of

という話もあります。on のあとに続くのは明確に定義されたトピックであるということですね。

まとめ:自分の解釈

概してどちらでも文法的には咎められない(少なくとも決着がつかない)という前提で自分の解釈を書きます。

なお,その後いくつかの議論を見ていくとofしか認めないという意見の方もいる(逆は居ない)ので場合によっては指摘されるのを覚悟したほうがいいかもしれません。


A Study on Xと書くのはこのStudyがXについての研究体系の1つに組み込まれるという印象を持ちます。 A Study on Humanと書けば「人間について行われた多くの研究」のうちの一つであるとタイトル的に暗示している雰囲気があります。

一方で,A Study of Xと書けばXについての研究であることを単純に主張する形になるかと思います。この研究は単にXについて調査したものであると感じられるので,従って先例がなかったり体系だっていないときは「A Study of チュパカブラ」のような表現が望ましいと思われます。

したがって学術論文のタイトルとしては先例と体系だった背景を感じさせる「on」を使う方が良さそうに思われます。

皆さんの意見をお聞かせください。