
幼児と新幹線に長時間乗るなら、個人的には子供料金を払ってでも1席確保する価値はかなり大きいと思っています。
JRでは1歳以上6歳未満は「幼児」で、原則として運賃は無料です。
ただし、幼児が指定席を1人で利用する場合には「こども」の運賃・料金が必要になります。
つまり今回は、
在来線では無料の幼児が、東北新幹線では有料の指定席を1席持つ
という少し特殊なケースです。
そしてこのケースで、えきねっとのチケットレスサービスをいろいろ試した結果、かなり仕様に詳しくなりました。
今回の条件は以下です。
- 幼児にも東北新幹線の指定席を1席確保する
- 神奈川県内からJRで東京駅へ向かう
- 東京駅から東北新幹線へ乗り換える
- できればチケットレスでスマートに乗りたい
結論からいうと、
子供用Suicaをすでに持っているなら新幹線eチケット。持っていないなら、新幹線eチケットを予約して紙で受け取る。
これが今のところ一番事故が少ないと思います。
まず3つの選択肢
| 方法 | 良いところ | ハマりどころ | 個人的評価 |
|---|---|---|---|
| 紙のきっぷ | 改札処理が分かりやすい。幼児のICカード状態を気にしなくてよい | 事前に発券する必要がある | 一番安心 |
| えきねっとQチケ | ICカード不要。スマホ中心で利用できる | 家族分のQR管理、東京駅での動線、紙へ変更できない | 準備して使うならあり |
| 新幹線eチケット | Suica等でタッチするだけ | 「こども」の席には小児用ICカードが必要 | 子供用Suicaがあれば有力 |
それぞれ単体では便利なのですが、
「在来線では無料の幼児に、新幹線だけ指定席を取る」
という条件を加えると急に話が複雑になります。
行き:Qチケで東京駅の罠にハマる
行きはえきねっとQチケを使いました。
QチケはQRコードで乗車できるため、
ICカードもいらないし、幼児連れならこれが一番簡単では?
と思ったのが選んだ理由です。
ところが、神奈川県内から在来線で東京駅へ入り、そのまま新幹線へ乗り換えようとすると、私の利用した動線ではそのままスムーズに乗換改札へ進めませんでした。
Qチケを利用するために、
東京駅で一度在来線改札の外へ出て、改めて新幹線改札から入る
という動きになりました。
幼児+荷物を抱えて東京駅でこれをやると、チケットレスにしたメリットがかなり薄れます。
そして発生した「紙にしてください → 紙にはできません」
今回、特に印象的だったのが駅員さんとのやり取りです。
改札でうまく処理できず駅員さんへ相談したところ、
「では紙のきっぷにしてください」
という案内を受けました。
そこで発券しようと別の場所へ移動すると、今度は、
「Qチケは紙にはできません」
という回答でした。
つまり、
「紙にしてください」 ↓ 「その商品は紙にはできません」
という、なかなかつらいたらい回しが発生しました。
これは個々の駅員さんを責めたいわけではありません。
実際、Qチケ、新幹線eチケット、通常のえきねっと予約、交通系ICカード、幼児運賃、在来線からの乗り換えなど、似ているようで細かな仕様の違う仕組みが重なっています。
現場側でも認識の齟齬が起きやすいシステムなのだと思います。
ただ利用者側からすると、
幼児と荷物を連れた状態で、案内された場所へ行ったら「それはできません」と言われて戻ってくる
のは、かなり厳しい体験でした。
Qチケは紙に変更できない
Qチケで重要なのは、
紙のきっぷとして受け取ることができない
という点です。
つまり現地で、
やっぱり面倒なので紙にしよう
という撤退ができません。
複数人利用では同行者ごとに乗車用QRコードが用意されます。
同行者分を別のスマートフォンへ渡すだけでなく、印刷して利用する方法もあります。
幼児の場合は、
子供分だけ事前に印刷して親が持っておく
という運用も現実的です。
とはいえ、幼児を連れながら、
- 自分のQR
- 配偶者のQR
- 子供のQR
- 在来線用のICカード
を改札前で管理するのは、個人的にはあまり「スマート」とは感じませんでした。
帰り:今度は新幹線eチケットを試す
そこで帰りは新幹線eチケットを試しました。
こちらはSuicaなどの交通系ICカードを座席に紐付けて、改札をタッチして利用する仕組みです。
大人は簡単です。
問題は幼児でした。
新幹線eチケットで「こども」として予約した座席をチケットレスで利用する場合、子供には小児用の交通系ICカードが必要になります。
つまり、
- こども用Suica
- 小児用PASMO
などです。
しかし幼児は普段の在来線では無料です。
我が家では当然、子供用Suicaを作っていませんでした。
そこで、
では紙で出せばいいのでは?
となります。
eチケットは紙にできる。ただし受け取り方が分かりにくかった
新幹線eチケットはQチケと違い、
指定席券売機や窓口で紙のきっぷとして受け取ることができます。
ところが、ここでも私は一度ハマりました。
通常のえきねっと予約と同じ感覚で、
発券用のQRコードがどこかに表示されるだろう
と思っていたのですが、新幹線eチケットの紙受け取りではその想定通りにはいきませんでした。
決済時に使用したクレジットカードなどを使って受け取る仕組みです。
私はこの仕様を十分理解しておらず、券売機でうまく発券できず、最終的にはみどりの窓口へ並ぶことになりました。
なので、ここは重要です。
「新幹線eチケットは券売機で発券できない」わけではありません。
正しくは、
紙にはできる。ただし、普通のえきねっと予約と同じ発券方法だと思っているとハマる。
です。
子供用Suicaを作れば全部解決……でもない
では、
先に子供用Suicaを作っておけばいいのでは?
となります。
これは半分正解です。
子供用Suicaがあれば、新幹線eチケットの「こども」の座席へ紐付けて利用できます。
ただし、神奈川県内から在来線で東京駅へ来る場合には、もう一つ問題があります。
幼児は在来線では原則無料なので、神奈川県内の駅で子供用Suicaをタッチして入場しません。
すると、そのSuicaには、
在来線へ入場した記録がありません。
一方、大人は普通にSuica等で在来線へ入場しています。
つまり東京駅へ着いた時点で、
- 大人:在来線の入場記録あり
- 幼児:在来線の入場記録なし
という状態になります。
そのため、幼児だけ新幹線乗換改札で扱いが異なります。
JR東日本の案内でも、こうした乳幼児のケースでは、
一度在来線の改札外へ出て、新幹線改札から入り直す
という方法が案内されています。
問題の本質は「幼児だけ状態が違う」
ここまで試してようやく分かったのですが、問題の本質はかなり単純です。
大人は普通に通れるのに、幼児だけ運賃上の状態が違う。
幼児は、
在来線:無料
なのに、
新幹線:1席確保すると「こども」扱い
になります。
そのため東京駅で、
「無料でここまで来た人が、ここから突然有料になる」
という境界処理が発生します。
チケットレスシステムは、この境界ケースとあまり相性がよくありません。
では、どう乗るのがおすすめか
我が家なら、今後は次の優先順位にします。
1. 子供用Suicaがないなら、eチケットを予約して紙で受け取る
これが現状、一番おすすめです。
手順は次の通りです。
- 普段使っている物理クレジットカードで新幹線eチケットを予約
- そのクレジットカードを忘れず持参
- 乗車前に指定席券売機で紙のきっぷを受け取る
- 東京駅では紙のきっぷを使って乗車する
若干、
チケットレスサービスを予約して、結局紙にするのか……
という敗北感があります。
しかし幼児連れでは、
技術的に美しいことより、東京駅の改札で確実に通れること
の方が重要です。
特に神奈川県など、東京駅までJRで移動してくる人にはこの方法が安定していると思います。
東京駅から乗車を開始する人なら、そもそも在来線からの乗換問題が発生しないため、少し話が簡単になります。
2. 時間のある日に「こども用Suica」を作る
今後も新幹線を利用するなら、子供用Suicaを作っておく価値はあります。
一度作っておけば、新幹線eチケットの「こども」予約へ紐付けられます。
ただし、
「子供用Suicaを作れば、神奈川から完全シームレスになる」わけではありません。
在来線では幼児無料なので、東京駅までの在来線入場記録の問題は残ります。
それでも、毎回紙を発券する必要がなくなる点ではかなり楽です。
3. どうしてもQチケを使うなら、事前準備する
Qチケ自体が使えないわけではありません。
ただし、
- 同行者QRを事前に用意する
- 子供分は印刷も検討する
- 東京駅でどの改札を使うのか確認しておく
- 紙のきっぷには変更できないことを覚えておく
くらいは予習しておいた方がよいです。
特に、
現地で困ったら駅員さんに聞けばなんとかなるだろう
という考え方は、今回の経験上あまりおすすめしません。
駅員さんでも商品ごとの細かな仕様を即座に判断できるとは限らないからです。
結論:チケットレスにこだわらない方が楽
幼児連れで、
神奈川 → 東京駅 → 東北新幹線
というルートを使うなら、我が家のおすすめ順位は次のようになります。
子供用Suicaなし
新幹線eチケット予約 → 紙で発券
これが一番安心。
子供用Suicaあり
新幹線eチケット
ただし、東京駅まで在来線を使う場合は乗換方法を事前確認。
紙もSuicaも用意したくない
Qチケ
ただしQR管理と東京駅の動線をしっかり予習。
結局、
「チケットレスにすること」より、「幼児を連れて東京駅で困らないこと」を優先する
のが一番だと思います。
最後に、勝手に仕様改善案
改善案1:eチケットは幼児席にも大人用ICを登録できるようにしてほしい
現在、新幹線eチケットで「こども」の座席をチケットレス利用するには、小児用ICカードが必要です。
でも幼児の場合、このICカードは実質、
運賃を精算する道具というより、改札で予約を識別する認証トークン
として使っています。
ならば、
幼児用の予約については、大人用の別ICカードを認証媒体として登録できる
という仕様があってもよいのではないでしょうか。
実際、東海道・山陽新幹線のスマートEXには、条件付きながら「こども」の予約へ大人用の無記名交通系ICカードを設定できる仕組みがあります。
少なくとも、
技術的に絶対できない発想ではなさそう
です。
改善案2:Qチケは「ディズニー方式」にしてほしい
Qチケでは家族それぞれにQRコードがあります。
しかし幼児本人へスマートフォンを渡して、
はい、自分のQR出して
という運用は当然できません。
欲しいのはもっと単純で、
父 → 母 → 子
のように家族全員分をサクサク切り替えられるUIです。
例えば画面いっぱいにQRを表示して、
「次の人」
を押せば次の家族のQRが出る。
あるいはテーマパークのチケット画面のように、家族全員分がまとまって見える。
利用者単位でQRを「配布する」という発想ではなく、
親が家族全員を改札へ通すUI
があってもよいと思います。
改善案3:駅員さん向け「えきねっとAI」が欲しい
今回一番つらかったのは、サービスそのものよりも、
駅員さん同士でも仕様の認識に齟齬があったこと
でした。
実際に、
「紙にしてください」
と案内され、
別の場所へ移動すると、
「Qチケは紙にはできません」
と言われました。
しかし調べてみると、この制度はかなり複雑です。
条件だけでも、
- 幼児
- 指定席あり
- 在来線では無料
- 新幹線では「こども」
- Qチケなのか
- 新幹線eチケットなのか
- 小児用Suicaがあるのか
- 東京駅までJRで来たのか
- 在来線の入場記録があるのか
などがあります。
これを駅員さんがすべて暗記して、目の前の利用者の状況に応じて即座に正しい案内を出すのは、かなり難しいのではないでしょうか。
だったら駅員さん向けに、
年齢区分:幼児 指定席:あり 利用商品:Qチケ 小児用Suica:なし 東京駅まで:JR在来線
と入力すると、
Qチケは紙のきっぷへ変更できません。 ○○改札から一度出場し、△△改札から再入場してください。
と一発で答えてくれるシステムがあればいいと思います。
名前はもう、
「えきねっとAI」
でいいでしょう。
窓口担当者が複雑な例外仕様を全部覚えるより、
人間は状況を聞き取り、システムが正しい手順を返す
方が、この手の定常処理には向いているはずです。
今回の体験で一番欲しかったのは、新しいチケットレスサービスより、
「その予約なら、あなたは今ここへ行ってください」
と一発で答えてくれる仕組みだったのかもしれません。
この記事をFAQ学習データ第1号として提供したいくらいです。
まとめ
幼児に1席確保して東北新幹線へ乗ること自体は難しくありません。
難しいのは、
「在来線では無料の幼児が、新幹線では有料の指定席を持つ」
という境界ケースを、複数のチケットシステムにまたがって処理することです。
個人的なおすすめは、
- 子供用Suicaがなければ、新幹線eチケットを予約して紙で受け取る
- 今後も使うなら、時間のある日に子供用Suicaを作る
- Qチケを使うなら、家族分QRと東京駅の動線を事前に準備する
です。
幼児連れの旅行では、
スマートさより、現場で迷わないこと。
これが今回いろいろ試して得た、一番実用的な結論でした。












